広島産レモンの歴史と現状
2025.09.01
レモンの原産地はインド北部のヒマラヤ東部山麓で、日本には明治時代に渡ってきたと推測されています。広島レモンの歴史は、豊田郡大長村(現:広島県呉市豊町大長)が、1898年(明治31年)に和歌山県から購入したネーブルの苗木に混入していたレモンの苗木を試植したのが始まりと言われています。その品種はリスボン系と推測されています。
瀬戸内の温暖な気候が冬の寒さに弱いレモン栽培に適しており、大長地区を中心に広まりました。レモン栽培は、豊田郡大長村(現:呉市豊町大長)で始まった後、瀬戸内海沿岸の島々を中心に広がりました。その後、瀬戸田地区でも栽培が盛んになり、1953年(昭和28年)には栽培面積で全国1位となりました。その後も生産量は増加し、1963年(昭和38年)には全国の50%を占めるところとなりました。
しかし、レモンの輸入自由化や大寒波の影響で国産レモンは一時的に減少し、1977年(昭和52年)には輸入レモンが10万トンを超えることとなりました。その後、安全な国産レモンへの需要が高まり、再び徐々に栽培面積と生産量を増やしています。
日本国内でレモンの国内作付面積は増加傾向にありますが、農林水産省統計によれば海外からの輸入量は国内出荷量の7倍以上です。また、広島レモンの生産農家も高齢化や生産者の減少が進んでいます。そのため、東広島市のJA広島果実連は、2018年から三原市の佐木島でレモン農園「鷺浦農園」を整備しています。このレモン農園では機械を使った生産性の高い栽培を目指しており、将来的に新規就農者に栽培を委託することで、広島レモンの生産者の規模を拡大しようとしています。
2025年には、JA全農とメーカーと販売先が協力して国産農畜産物のPRやキャンペーンなどを展開することで商品を通じて産地を応援していく活動「ニッポンエールプロジェクト」では、第5弾のテーマを広島県産「瀬戸内広島レモン」として13商品を共同開発しています。商品は順次、各メーカー・販売先より発売されています。