【時間の引き算と素材の選択】飯尾醸造「紅芋酢」が、8か月の歳月を必要とする理由

【時間の引き算と素材の選択】飯尾醸造「紅芋酢」が、8か月の歳月を必要とする理由
「この一滴は、どのようにして形づくられたのか。」

私たちが日常で口にするものには、必ず完成に至るまでの時間と選択が存在します。

京都・宮津で伝統的な酢造りを続ける「飯尾醸造」。
彼らが手がける「紅芋酢」は、一般的なお酢とは一線を画す背景と時間をまとっています。


■ 貴重な原料「ムラサキマサリ」を手作業で

紅芋酢の原料となるのは、ポリフェノールの一種である「アントシアニン」を豊富に含む特有の芋、「ムラサキマサリ」です。青果用としては滅多に出回らないこの貴重な品種を、鹿児島県の農家が農薬を使わずに栽培しています。

機械化ができないこの工程では、蔵人たちが手作業でひとつひとつ丁寧に、繊維質の多いヘタを取り除いていきます。

「無心で紅芋を洗い、ヘタを切る地味な作業」

その地道な手仕事の繰り返しが、雑味のない純粋な味わいの土台となります。着色料や人工甘味料といった添加物は一切使用されていません。


■ 「お酒」を造り、8か月以上の歳月をかける

効率を重視する現代の工業的な酢造りでは、人工的に空気を送り込み、1〜2日で発酵を終わらせる方法が一般的です。

しかし、飯尾醸造の紅芋酢ができるまでには「8か月以上」の時間を要します。

まず、低温でじっくり蒸した紅芋の糖分を酵母で分解し、数か月かけてお酢の原料となる「お酒」を醸すところから始まります。

できあがったお酒の表面に酢酸菌を浮かべ、自然な対流の中でゆっくりと発酵を進める伝統技法「静置発酵(せいちはっこう)」。

時間と手間、そして職人の熟練した勘を要するこのプロセスを経て、酢酸と水が分子レベルで調和し、角のないまろやかな旨みが生まれます。


■ 蔵人の日課と、身体への寄り添い方

飯尾醸造では、毎朝8時の出社後、ラジオ体操で身体を動かした後に蔵人全員が紅芋酢の水割りを飲むことが習慣になっています。

夏場は汗をかく現場作業に合わせて少量の塩と砂糖を加えたドリンクで補給し、冬はホットで温まる。

「造り手が健康だからこそ、良いものを提供できる」という考え方が、その習慣に息づいています。


■ 日常での美味しい飲み方・取り入れ方

原液ではなく、1日15ml〜30ml(大さじ1〜2杯)を目安に、水や炭酸水で8倍以上に薄めてお召し上がりください。(※胃への負担を避けるため、空腹時は避けていただくのが基本です)

・毎日の継続:
同じグラスを使い「15mlの位置」を覚えておくと、計量の手間なく続けられます。水で薄めた分は冷蔵庫で保存してください。

・アレンジ:
酸味が気になる場合はハチミツを加えたり、りんごジュース、牛乳などで割るのもおすすめです。料理では、特有のクセが少ないためポツサラダの隠し味や、ピンク色を活かした甘酢漬け、ドレッシングにも適しています。


安易な足し算や短縮を選ばず、素材の力を引き出すために時間をかける。

商品ページに並ぶ言葉の奥にある「8か月の歳月と職人の選択」を、ぜひ日々の生活の中で感じてみてください。