伊勢神宮に奉納される塩が、今もつくられている土地があります。
三重県伊勢市、二見浦。
この海の水だけを原料に、薪の火で炊き上げる塩。
それが「岩戸の塩」です。

塩づくりの歴史が続く土地、二見浦
二見浦は、古くから塩づくりが営まれてきた土地です。
その始まりは、天照大神に仕えて諸国を巡った倭姫命(やまとひめのみこと)に、堅塩(かたしお)が献上されたことだと伝えられています。
今もこの地の御塩殿神社では、伊勢神宮の祭典に用いられる「御塩(みしお)」がつくられています。
岩戸の塩のはじまり
岩戸の塩は平成8年頃、二見興玉神社の参道にある旅館「岩戸館」の大女将が、ご家族のために二見の海水で塩をつくり始めたことから生まれました。
つくった塩の成分を調べると、ミネラル分を豊富に含んでいることがわかりました。
塩の専売制が廃止された平成9年に、先代は、この塩の販売を始めています。
現在はそのご子息の百木良太さんが製塩を受け継いでいます。
2021年には神前(こうざき)海岸の近くに「岩戸の塩工房」を構えました。
つくり方
大潮前後の満ち潮に合わせて、海水を汲み上げます。
その海水を薪の火にかけ、鉄の釜で15〜20時間かけてじっくりと煮詰め、結晶化させます。
にがりは取り除かず、そのまま焼き込んで仕上げます。
1日に使う薪は200〜300kg。1トンを超える海水から、できあがる塩は約25kgです。
足さない、引かない
他の塩やにがりを加えることはなく、固結防止剤などの添加物も使いません。
薪の火で水分を飛ばすだけの製法のため、塩の成分比は海水とほぼ同じになるといいます。

工房を訪ねて
今回、岩戸の塩を取り扱うにあたり、実際に工房へ見学に訪れました。
自然を受け入れ、海水を汲み、薪を焚き、火と向き合う。
その一つひとつの工程に、命を懸ける覚悟で塩と向き合う姿がありました。
自然のものを扱うということは、都合の良い部分だけを切り取ることではありません。
環境のこと、社会のこと、塩そのもののこと、成分のこと。
自然の中には、人間にとって都合の良いものだけが存在しているわけではありません。
それも含めて目を背けず、すべてを受け入れたうえで、自分たちの仕事に向き合う。
そこには、現地へ行ったからこそ見えた、つくり手の覚悟がありました。
特別なものを取り入れるのではなく、まずは毎日使う塩を変えることから。
何を選び、身体に取り入れるのか。
この岩戸の塩が
毎日の食事を見直し、自分自身の身体と向き合うひとつのきっかけになればと思います。

原材料:海水
内容量:125g / 376g
製造者:岩戸の塩工房
栄養成分表示(100g当たり)
エネルギー 0kcal
たんぱく質 0g
脂肪 0g
炭水化物 0g
食塩相当量 73.0g
マグネシウム 3530mg
カルシウム 760mg
カリウム 930mg
分析検査/財団法人 塩事業センター
